読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

■第1章 風前の灯(ともしび)

■第1章 風 前 の 灯(ともしび)


 
朝。
あまりにも目の前がチカチカするもので、目を覚ました。
なんだか普段と違う雰囲気が漂っていた。窓の外を見ると、そこにはあり得ない光景がぼくを待ち受けていた。
プププランドの異変。空に太陽と月。
太陽と月がケンカをしていた。
2つがカキンとぶつかる度に火花を散らし、空の色が昼と夜を繰り返していた。
受け止められない現実を目の当たりにして、ぼくはただただ突っ立っていた。
 
そんなぼくの元にワドルディとポビーフロスJrが走ってきた。
「カ、カービィさ、んたいへんです・・・どうしましょう・・・」
ワドルディの声は途切れ途切れに震えている。
 「ウィスピーの森の木々はまともに光合成もできずで苦しんでる。町の人は目がやられてる。このままじゃ森どころじゃねえ、ポップスターが全滅するぞ・・・」
理解が追いつかない。ぼくはあわてる二人と現実を受け止めきれない。
「そんなぁどうしようって言われても・・・そんなのぼくがききたいよ!」
 
「でもカービィさん!カービィさんしか頼る人がいないんですよ!星の戦士として・・・お願いしますぅっ・・・」
ワドルディは目に涙をこんもり溜めて頭を下げた。
「俺からもだ・・・頼むよカービィ!!」
ポビーフロスJrも強い声でぼくに訴えた。
「とっ、とりあえず夢の泉に行こう?あそこなら空に近いから何か分かるかもっ!!」
なんて適当な事を言ったけど、今のぼくにはこれしか分からなかった。
 
  
知っているかのように泉は太陽と月のケンカを映していた。泉の水が太陽光と月光と、火花を反射をして目が痛い。
そして何より目に飛び込んできたのはスターロッドが今までにないくらい煌めいていた。
「やあ君たち・・・さっきからスターロッドが煩いんだ。この異変を分かっているみたいだね・・・」
ブロントバードは森が心配で泉までやってきたらしい。
カービィはどうするつもりだい?スターロッドを持ってこれを止めに行くの?」
 
ぼくはどうすればいいか分からなかった。
 
何故こうなったのか。何故喧嘩しているのか。 
相手はぼくたちと同じ生き物でもなんでもない、太陽と月。
決して天空で踏ん反り返っている元凶でもなんでもないのだ。
 
「ぼくは・・・・・ぼくにはなにができるんだろう・・・」
 
ぼくは空に向かって力いっぱい叫んだ。
 
「ねえ!どうして喧嘩をしているの!!」

 
○がつ×にち
たいようと月が おおゲンカ
ひるもよるもメチャクチャ・・・。
 
 
太陽と月が互いに激しくぶつかり合い、火花を散らしている。
「・・・どうなっちゃうのかなあ。」
ワドルディはぽつんと呟く。
ぼくは返事のない空を見上げたまま立ち尽くすことしかできなかった。
 
何もできない自分にもどかしさを感じる。
 
「ヘイ、ヘイ、ヘーイ!」
聞き覚えのない声と人影が一つ。ぼくたちは後ろを振り返る。
 
「お月さんとおてんとさんをなかなおりさせたいんだろ?」
ぼくは黙ってうなずいた。
「なら、銀河の果ての大彗星ノヴァにお願いするのサ!
願いをかけるには、それなりの力が必要だけど・・・」
お願い?大彗星?なんのことだかさっぱり分からない。
でもプププランドを救えることだけは分かっていた。
「ポップスターを救えるの!?どうやって!?」
ぼくは夢中で聞いた。
「ノヴァを呼び出すにはパワーが必要なのサ。
キミも知ってるだろ?この宇宙には7つの星が隣り合うように存在している。
その7つの星を結んでパワーを生み出すのサ!」
「ぼく・・・やるよ!ポップスターのためならなんでもやるよ!!」
彼はにっこりと微笑んだ。
「その言葉を信じていたよ。キミは確か星の戦士カービィ、だよね。ボクはマルクだ、よろしくなのサ。」
「うんっ!よろしくね!マルク!!」
 
 
誰も気付かないでしょう・・・灯がゆらゆらと揺れる様を。
 
 
(第2章へ続く)